UP フェーズ(上昇構造)
記号 ▲ / カラー 赤(日本慣習:上昇側)
直近のスイング高値・スイング安値が、ともに切り上がっている状態。
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本サービスが銘柄ごとに付与する 4 つの分類(UP / RANGE / TRANSITION / DOWN)の、定義と構造の見分け方を章ごとに解説します。 各フェーズの境界条件、切替の瞬間、そしてダマシとの区別についても扱います。
所要約 20 分 / 約 5,100 字
本サービスでは、銘柄の価格構造を以下の 4 つの分類のいずれかに割り当てます。いずれも、日足のスイング高値・安値の並びを機械的に評価した結果です。
記号 ▲ / カラー 赤(日本慣習:上昇側)
直近のスイング高値・スイング安値が、ともに切り上がっている状態。
記号 ◆ / カラー 黄
高値・安値の並びに明確な方向性がなく、上下水平に推移している状態。
記号 ◑ / カラー オレンジ
従来のトレンド条件が崩れ、次のフェーズへ移る過渡期。本サービス独自の分類。
記号 ▼ / カラー 緑(日本慣習:下降側)
直近のスイング高値・スイング安値が、ともに切り下がっている状態。
4 つのフェーズは相互排他的で、任意の時点でいずれか一つに分類されます。 標準ダウ理論が「上昇 / 下降 / 無トレンド」の 3 種類に整理するのに対し、本サービスは「無トレンド」を RANGE と TRANSITION に分けているのが特徴です。 TRANSITION は、過去にトレンド構造があったものが崩れた直後の過渡期を明示的に取り出すための独自区分であり、この名称は標準ダウ理論には存在しません。
以下、各フェーズの構造を、スイング点の並びを示す模式図とあわせて詳しく見ていきます。
UP フェーズは、直近 3 点のスイング高値と、直近 3 点のスイング安値が、ともに切り上がっている状態です。記号で示すと次の並びになります。
高値: A < B < C
安値: a < b < c
かつ、最後に確定したのは高値 C(最新のピボットが上側)
この構造では、価格が調整に入っても直前の安値を割らず、再度上昇に転じて直前の高値を上回る、というサイクルが繰り返されています。 各サイクルは強弱の幅を伴い、UP が続いている間も短期的な揺れは当然発生します。本サービスは日足で判定しているため、短期(分足・時間足)でのサイクルは含みません。
UP 継続中に観察されやすい特徴として、出来高の裏付けがある場合、構造の確度は相対的に厚く読まれやすいとされます。 ただしこれは一般論であり、すべての UP 銘柄でそうなるわけではありません。本サービスでは「UP × 出来高急増」といった複合条件で事実ベースの絞込を行える画面を用意しています。
上記チャートは学習用のサンプルデータで、実在銘柄の相場を表すものではありません。スイング高値・安値のピボット点と直近のレベル線が描画されます。
RANGE フェーズは、高値・安値のいずれにも明確な方向性がなく、上下の定着ラインの間を価格が往復している状態です。 模式的には次のように表現できます。
RANGE は「方向が決まっていない状態」を意味し、待機局面とも言い換えられます。 ボラティリティ(値幅)が低下しやすく、次にどちらの方向へ抜けるかが事前には分からない状態です。 本サービスでは、直近 20 本の最大値幅が ATR(14) の 2.0 倍を下回ると RANGE として強制的に分類する仕組みもあり、ノイズでフェーズが揺れるのを防いでいます。
RANGE は時間の経過だけでなく、値動きによっても終わります。上限を明確に上抜けば UP へ、下限を明確に下抜けば DOWN への入口となることが多く、抜けた直後は TRANSITION として一時的に分類されることもあります。
TRANSITION は本サービス独自の分類で、直前まで UP または DOWN であった構造が崩れた直後の過渡期を指します。 原典のダウ理論では「トレンドと無トレンドの二分」が基本ですが、本サービスでは実務的な観点から、崩れた直後の「判断保留」を独立した区分として設けています。
直近高値更新に失敗、または直前の安値を下抜けた。高値・安値の切り上げ条件が片方でも崩れたタイミング。
直近安値更新に失敗、または直前の高値を上抜けた。高値・安値の切り下げ条件が片方でも崩れたタイミング。
TRANSITION の滞在日数は、銘柄と局面によって大きく異なります。1 日で次のフェーズへ確定することもあれば、数週間にわたって TRANSITION が続くこともあります。 本サービスでは TRANSITION の継続日数を表示しており、その長さは「構造が固まらない状態の持続時間」という事実情報として読めます。
TRANSITION の文脈でよく語られるのが、いわゆる「ダマシ(フェイクアウト)」です。価格が一時的に高値・安値を抜けたように見えて、次足で元に戻ってしまう現象を指します。 ダマシを機械的に完全に排除することはできませんが、教育的な観点では以下のような視点が整理されています。
本サービスは、終値ベースでのスイング判定、出来高の併記、マルチタイムフレーム表示など、これらの視点を機械的に補助する情報を提供します。 ダマシを避けるための「答え」を提示することはありませんが、「複数の視点で見てから考える」という構造的な姿勢を取りやすくします。
DOWN フェーズは UP の鏡像で、直近 3 点のスイング高値と直近 3 点のスイング安値がともに切り下がっている状態です。
戻り(反発)が直前の高値を越えず、再度下落に転じて直前の安値を下回る、というサイクルが繰り返されている状態です。 UP 同様、出来高の裏付けがある場合は構造の厚みが相対的に読まれやすいとされますが、これは一般論であり、個別銘柄の将来を示唆するものではありません。
フェーズの切替は、新しいスイング高値または安値が確定したときに発生します。スイング点の確定は「前後 n 本の極値であること」を待つため、最新バーではすぐに決まらず、数本分の遅延があります。 本サービスは、確定済みの構造と、いわば「暫定的に示唆される構造」を分けて扱う設計になっています。
スイング点が前後 3 本(週足は 2 本)の確認を得て確定した時点のフェーズ。過去として安定しており、遡及的に変化しません。
当日終値が直近の確定スイング高値または安値を越えた場合、確定フェーズに「?」を付した暫定ラベル(例: UP? / DOWN?)として画面上で区別されます。翌日以降のピボット確認を待って確定または否定されます。
この「確定 / 暫定」の二段階表示は、スイング点の確認にかかる本質的な遅延を、ユーザー側で誤解せずに扱えるようにするための配慮です。 「当日いきなり UP が出た」ように見えても、それは暫定であり、後日ピボットが確認されて初めて確定 UP になります。画面の表示ラベルが「UP?」か「UP」かで、確信度の違いを見分けられます。
同じ理由から、フェーズの継続日数(streak)は「確定後の日数」で数えています。暫定状態の日は含まれないため、継続日数が 1 日であれば「今日確定した」、20 日であれば「3 週間以上前からその構造が続いている」という読み方になります。
ここまでで、UP / RANGE / TRANSITION / DOWN の 4 フェーズの定義と、切り替わりの仕組みを整理しました。 次の Step 3 では、週足と日足という 2 つの時間軸を重ねてフェーズを読むマルチタイムフレーム分析に進みます。 同じ銘柄でも週足と日足でフェーズが一致する場合と矛盾する場合があり、この整合 / 矛盾の読み分けが構造理解の深さを決めます。